神輿胴

「神輿」とは御霊代(みたましろ)を御動座(おうつし)するときの御神座としての輿のこと。
祭礼にあたって神幸祭(しんこうさい、御動座の祭り)のときに氏子達によって担ぎ出され、町内を練り歩く。
それによって町と住民はあまねく御霊の霊威を浴び、豊作繁盛、疫病退散などの御利益を得られる。

神社前の神輿

平成13年9月15日。
リニューアル成った原町一丁目天祖神社のお神輿が上がる。

鉢巻締めて
天祖さまの神輿復活!
新宿原町一丁目 例大祭
木入れ

若頭の柝(き)が入る。
お神輿の出発である。

神輿上がる

せいや!せいや!
おっしょい!おっしょい!
ほうりゃ!ほうりゃ!
小さな町会なのでかけ声にはあまり厳密な規定は無いようである。
わっしょい=和一処。せいや=征矢、矢を征する。そうれい=総礼、総てに御礼。そいや=総矢、総てを以って矢を征する。など、かけ声にはいろいろ理屈が付けられてもいるようであるが、こんな重いもの担いでんだもの、理屈でなしに自然にいろいろ声出ちゃうでしょやっぱり!というのが私の持論である。

下から煽り縦位置

新しい鳳凰も誇らし気に
まばゆく輝きを放ちながら身を揺する。

整体屋さん
車道に出る縦位置
つずくの兄ちゃん
お付きの神主様縦位置
花棒後ろ
家族縦位置
脚
あおり
拝礼

最初の休憩地でお神輿と参加者全員にお祓いが行われた。
何か落っことしたのかと思ったが、そうでなくてこれは拝礼である。とても若いのに表情ひとつ変えず静かに真面目にお務め下さる良い神主様でした。

お祓い
坂下
姐さん
サイさん

上の写真にもちらっと見えるが、左で花棒のハナを担ぐのは
 「お神輿の通り道」
  http://xi-xi.cside2.jp/
のサイさん。東京各地の神輿を担いでまわる神輿フリークであらせられる。この顔はかなり肩腰にきているなあ。

ふえ
うちわ
お礼祓い

奉納金を頂いた家を回ってお祓いをするのも神主さんの務め。

ビルの谷間を

この町も高層建築に囲まれつつある。
祭りのお囃子もかけ声も遠くには届かなくなって来た。

しぼり
こどもかつぎ

あまり堅苦しいことは言わず、家族みんなで祭りを楽しむ。町神輿の楽しさである。

足並み
揉む

神輿を大きく揺らすのは「魂振り(たまふり)」といって、神さまの霊威を高める意味があると言う。
大きく元気に担げば祭りも盛り上がる。

休憩

何度目かの休憩。
かなりみんな疲れが来ている頃。

中華神主様

神主様もお疲れのはず。
なにもラーメンの看板の横に椅子置かなくたって良いのに、いくら温和そうな神主さんだってこれにはムッと来てるんじゃないかいな。写真撮ってもよろしいですか?と尋ねたら、静かに20度程身体を折り曲げられた。

襟ただす

自動ドアのガラスにふと我が身を認めて襟元をお直しになられた。そんなに怒ってないかな。しかし神主さんがラーメン屋に向かってすっくりと立ってらっしゃると周りはびっくりしますぜ。中で半チャンラーメン喰ってたやつなんか全部吹き出しちまってましたからね。

神輿に子供

さあ、後半だ、がんばれ!
でもなんかさっきより重くない? すんげえ疲れ感じんな。なんなのこの重さ。

元気なおやじさん

おいしょ! おいしょ! 後ほどあらためてご登場頂くが、世話役である居酒屋「つず久」の親父さん。非常に元気で明るく、責任感の強いお人柄である。ぼくらも随分お世話になった。神輿に掛ける情熱はただ事でなく、自ら巨費を投じて自前神輿をお持ちなぐらいである。最後まで一番元気な人だったし、親父さんは周りのみんなも元気にしてしまうところがある。

整体屋

体育大学で柔道をやっていたという兄さん。今は整体をやっているとか。体力、気力、明るさではこの人も抜群であった。

フォリナ

オーウ…

原三に迫る

この日は全国あちらこちらで祭りのある日。神輿同士が鉢合わせということもある。原一天祖様は隣の原町三丁目の神輿の後ろにくっ付いてしまった。

抜く

追い抜くから、そこんとこ写真に撮っといてよ。と若頭に耳打ちされた。三丁目が休憩で神輿を下ろしたと見るや、原一は汗みずくになってこれを追い越してその前で休憩を取った。やるでないの! しかしだんだん休憩から腰を上げる時間も長くなって来るのであった。

見物

本来、神様のお乗りになっている神輿を上から見下ろすなんていうのは大変な大罪でおます。よそのお祭りだったら許されませんけど、ここではあまりうるさく言わない様です。祭りそのものの意味からして曖昧になって来た今、祭りは町内の一レクリエーション化しつつあります。

風雲

折り返しポイント、若松町の交差点を思いきり大きく回ってデモンストレーション。夏の終わりを告げる遠雷も祭りのかけ声にかき消される。

そーめんテーブル

最後の休憩には大量のそーめんが振る舞われた。

啜り込む
車座
そーめん

乾いた喉と空腹にはうってつけでとても美味しく感じられた。みな3杯、4杯、5杯、6杯、7杯、…と嵐のようにゾーゾー啜り込む。

神主さん

みんなが、流しそうめんに群がった狼達のようにゾ、ゾ、ゾーッと猛烈に啜り込んでいる時に、神主様は隅っこの方にすっくりとお立ちになられて休憩の終わるのをお待ちになっている。おばちゃんがそーめんやむぎ茶を勧めても静かに上体を20度程お倒しになられるだけで決して受け取りません。汗はだらだら流してたけどね。だけどそらそうだよね、神主さんが榊おしりにぶっ差して腕まくりしてそーめん啜り込むわけにゃあいかないよ。どこかに休憩室を設えて人目を避けられるところをご用意して差し上げるべきだったと思うな。

大久保通り下る

さあ終盤だ。大久保通りを市谷柳町交差点へ向けて下る。
交差点ではまたまたデモンストレーションだあ。車を止めて大きくぐるりと回る。

市谷柳町交差点
門前

そのころ門前(天祖神社は元は寺であったため楼門がある)では、次第に近付いてくる神輿のかけ声を聞いてお手伝いの御夫人方がそわそわと声のする方を伺っていた。

焼き鳥屋

とても小さな神社なので出店は門前の左右に構えた二店のみ。神輿の声を聞いて、おいしそうな煙りを一層盛り立てた。

焼そばや
ラストコーナー

神輿は最後の角を曲がった。神社からの焼そばの匂いがもう匂う。名残りを惜しむように、あるいはもう疲れ切っているのか、ゆっくりと神輿は神社へのゆるい坂を登る。

神社到着

神社に到着。

神社前
大揉み

最後の一揉み。

揉み疲れ
おばちゃん

裏方でずっとがんばってくれたお母さん達も花棒に掴まらせてくれる。
一橋大から参加してくれた学生達も。

一橋大
役員さん

役員さん達も。
   んー…、あんな人もこんな人も。

??
スタッフ

なぬー! うちのデジぶらスタッフまで!!

若頭立つ

若頭が立ち上がった!

差す
差し上げる

「差せーっ!」の号令に、「応!」と応えるや、男達は一斉に神輿を高く差し上げた! そのまま九十度転回して正面を神社に向ける。

柝

万感の思いを込めて最後の柝を入れようとする若頭。後ろから「つず久」の親父さんが拡声器で言う「まだ早い、まだ早い!(もっと溜めろ)」に一同どっと笑う。

最後の柝

とうとう若頭の両の手が大きく左右に開いた。
次の瞬間、「かちーん」高らかに柝が鳴って、「おおーっ」とどよめきが上がるとともに、神輿は静かに下ろされた。

町会長挨拶
つず久挨拶
蔵入れ
お酌
飲みましょ

小さな町の、小さな神社。都会に埋もれたようなこの場所で、地元を守って下さる神様のためにみんながその輿を綺麗に蘇らせた。変わってゆくもの。消えてゆくもの。入ってくるもの。出てゆくもの。町も人も総てがうつろい流れてゆく時代の中で、忘れてはいけないもの、大切にしなくてはいけないものを、この町は守ろうとしている。小さな町の思いが、大きな心を教えてくれたように思った。

二拝二拍手一拝

お時間ございますれば原一神輿取材の後日談もご覧下されえ!

んじゃ、原一神輿取材後日談 へ
デジぶらトップページ へ
引取式 へ
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送