6月のデジぶらは東京築地の中央卸売市場を訪れた。
青物も含めると1日に4,000トン、およそ30億円にものぼる取り引きがあるという日本一の市場だ。ひところに比べ開放的になったとは言え、そこは売る者と買う者、その狭間には異常なまでの緊張感がほとばしり、空気まで焦がす熱きプロの仕事場だったのだ。



まっ先に駆け付けたのはやっぱりここだった。鮪。
好きだもんね日本人は。

午前3時。近海からも遠洋からも世界中からあがった魚がここに集まってくる。
なんといってもマグロが花だ。
200キロを越す巨体が市場に並ぶ。
近年の高度な冷凍技術のおかげで骨までカチンコチンでありながら解凍後も新鮮な味覚を味わえる。細胞が壊れていないからだ。岩のように硬い魚体に男達が大鉈をふり落とす。
仲買人の検分のために皮一枚残して
5cmくらいを輪切りにする。
尾のサイドも一部剥がされる。
     
競りの時刻が近付き、仲買人達が集まってくる。まず、魚体の大きさ、形、種類を確認。尾の断面と皮裏の肉の色を見、ライトの反射、手触りで脂のノリを吟味する。1キロあたり、1000円前後が冷凍物の中値相場だが、当たればキロ6000円の極上物もある。
マグロの種類、時期、扱われ方で状態は著しく違うはずだが判断材料は乏しい。
熟達した眼力の必要とされる緊張の瞬間だ。
こちらは生鮮マグロ。手にしたメモには他人には解らぬデータがぎっしり。
一日に上場するマグロ類の総量は150〜200トン。その内7割ほどが冷凍で入荷。その半分以上がメバチマグロで、ほかに本マグロ、インドマグロ、キワダマグロなど。冷凍は最高値キロ6,000円、安値500円。ということはマグロ1本100キロだとしたら仕入れ値段で60万円と5万円という差が出る。うーむ。
手鉤であちこちひっくり返し、これはというマグロを探す。一本200キロを超える大物になると上物で値段も100万円を超えてくるので真剣である。
午前5時過ぎ、競り人の鐘の合図で競りが始まる。日本近海物に加えて、世界各地から氷詰の航空便にて上場。遠くはヨーロッパ地中海や環太平洋諸国沿岸からの到来である。
競りは卸の競り人と仲卸、仲卸同士の駆け引きがあり、自分の目利き、小売からの注文も頭に入れて競り落とす。たとえ買わない時でも、他の仲卸のつける値段や調子をお互いに観察しているようだ。この日の最高値は日本近海産の本マグロでキロ11,000円を超えた。250キロをこえる超大物だからマグロ1本で300万円ほどか。
競りが終わり、騒然とした空気とともに興奮が沈む。
午前6時、競り落とされたマグロは小車に乗せられて次々と仲卸の店へ運ばれていく。
この沖縄近海モノとニュージーランド近海モノの本マグロはいったい誰の口に入るんであろうか。
中卸で解体されるマグロ。150cmのおろし包丁があちこちで振り回される。 ところがマグロというものは、実際に切って中を見ないことには本当の価値はわからないそうである。
実況放送のアナウンスブースみたいにして御夫人方が納まっている所は帳場。
みよこの俎板を! こんな分厚いやつが半年でこうだ! 全てにスケールが違う。
そう、顔もでかい! これだけデカいカマを焼くとなるとちょっとそこらの店では無理だ。 キャンプファイヤみたいな炎が必要だからだ。半カマにしちゃあ楽しさも半減だし。


マグロの部はこれくらいにして場内場外をぶらついてみようか。

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